Planet B

外資系マーケ部門に所属しながらDesignとBrandingについて思索するブログ。または運命の軌跡を辿るPlanetB滞在記。

「Are you happy with that?」ー希望しない仕事をする日本人と、欧州からやってきた新入社員の問いかけ。

最近、新しく欧州からやってきた新入社員Aさんを誘い、同僚たちと景色の良いビルのレストランでランチした。

窓から見える空は、少し前まで黄砂で曇っていたような気もしたが、今はもうすっかり遠くまで見渡せる澄んだ空気になっていた。食事が運ばれ、Aさんの今住んでいるところや、出身地の話、大学生活の話をした。とある日本人社員が「私は大学でxxxを勉強したけど、今の仕事とは関係性がないですね」と話したところから、日本の採用事情の話になった。

海外に興味がある人は割と知っているかもしれないが、日本の採用事情は欧州とは全く異なる。どちらが良い悪いかは議論を譲るとして、日本はポテンシャル採用をベースとした新卒一括採用がまだまだ主流だ。最近はリクルートなどが30歳までを新卒とみなすとする発表をしたと聞くが、この流れが変わるのはまだ少し時間がかかるように思う。

日本では多くの場合、「総合職」というよくわからない職務領域で大学を卒業したばかりの新卒学生を多く採用する。その際に大学で何を学んでいたかはあまり問われない。理系研究職などはもちろん関連性を求められることの方が多いだろうが、多くの場合はそうではない。よって、文学を専攻していた学生がIT系企業のエンジニアになり、法律を学んでいた学生が営業職をしている、といったような事がままある。

仮に、非常に優秀な学生で、例えばマーケティングを希望部署として挙げていても、まずは営業職を3年やる、場合によっては東京で採用されたがその3年は300㎞以上離れた地方でやる、なんてケースもよく聞く話だ。希望の部署に配属されるには、希望ではない部署で成果をだしたり、我慢したりしたするのが第一ステップになる。

 

そのような事をAさんに説明すると、非常に驚いた様子でこういった。

 

「... Are they happy with that ?」

 

つい、みな口ごもってしまった。苦笑い。

幸せか?うーん。

綺麗ごとなしに言おう。幸せではない。

もちろん、希望の仕事でなくても得られること、学べること、素晴らしい人々との出会いはある。しかし、職業人生としてみたときには幸せの基準からは外れていると思う。

 

ふと自分のこれまでの道のりが浮かんだ。私自身、色々追い求めてきたけれど、なかなかうまくいかないことが多かった。正直、自分のやりたいことが分かっているだけでも結構幸運なことだと思うが、分かっていたからといって、必ずしもその職に就けるとは限らない。また、日本の場合は特に、Job Descriptionが不明瞭だったり、あっても実際は違うことを指示されることも往々にしてある。

 

今、私はHappyだ。やりたい仕事をしている。これまではモチベーションを自分で探しながら仕事をしていた面も否めないが、今は、自然とモチベーションが湧いてくる。なぜなら「この仕事が好き」だからだ。いや、違う、むしろ「好きなことをたまたま仕事にできた」からだ。

そんな状況だからこそ、自然と仕事のことを考えるし、それも心地よいし、よりよい結果を自然と求めようとする。また、良い結果になったときに単に仕事の評価という枠をこえて、人生という枠組みで満たされた気持ちになる。

 

それを考えれば、やはり一番良いのは自分の希望の仕事をするべきだし、また、会社側としても本人の希望をなるべく汲む方が生産性も期待出来ると思う。当然、会社側は全ての人を希望通りに配置出来ないだろうが、キャリアパスの可能性はもっと柔軟にあっても良いと思う。未来を感じらる道で生きる方がひとは断然イキイキするのだから。

ランチはその後、Aさんが実はカラオケが好きだという話、日本の居酒屋を体験してみたいという話で盛り上がった。日本は初めてだそうだが、何事にも好奇心をもってトライしていくAさんはなんだかキラキラして見えた。